前編では、職員が働き続ける理由が、賃金よりも
「休みやすさ」と「人間関係」にあることを、調査結果から確認しました。
後編では、ではその職場をどうつくるのか、私の考えを書きます。
■義務が増えているのではなく、守る仕組みが増えている
ここ数か月、事業所に新しい義務が次々と課されています。
・令和8年10月1日 カスタマーハラスメント対策の義務化
・令和8年10月1日 パート・有期職員への労働条件明示事項の追加
・令和8年12月25日 こども性暴力防止法の施行
規程をつくり、窓口を置き、研修をする。手間は確かに増えます。
正直なところ、「また増えるのか」という声も現場で耳にします。
ただ、前編でみた調査結果と並べてみると、これらは
「職員が安心して働き続けられる状態をつくりなさい」という要求として、
一本につながって見えてきます。
利用者やご家族からの理不尽な言動に、職員を一人で立たせない。
職員が加害者にも被害者にもならない仕組みをつくる。
契約内容を曖昧にせず、説明できるようにしておく。
どれも、職員を守るための話です。
■規程を配っただけでは、職場は変わらない
とはいえ、立派な規程をつくって回覧に回しても、それだけでは何も変わりません。
何を「不適切な行為」とするのか。
どこからがカスハラで、どこまでが正当なご要望なのか。
困ったときに、誰に、どう相談するのか。
これらは、法律が一律に決めてくれるものではありません。
事業所の実態に合わせて、現場の職員と話し合って決める必要があります。
そして決めたことを本人たちが納得しているからこそ、いざというときに機能します。
逆に、上が決めたルールを下ろしただけの職場では、
職員は萎縮するか、見て見ぬふりをするかのどちらかになりがちです。
前編でみた「辞めた理由の1位が職場の人間関係、その半数が上司の言動」という結果は、
そのことを示しているようにも思えます。
だから「対話」と「ナットク」なのだと、私は考えています。
決めるのは経営者の役割ですが、決める過程に現場を入れておくこと。
それが、規程を機能させる唯一の方法だと思っています。
■幸せは、利用者にも伝わる
職員が幸せに働いている事業所は、利用者にもそれが伝わります。
数字の話から始めましたが、最後はそこに戻ってくると信じています。





















