お知らせ
お知らせ
作成日:2026/10/01
【情報提供】令和9年度介護報酬改定の「基本的な視点(案)」が示されました(令和8年9月30日)



令和8年9月30日に開催された第268回社会保障審議会介護給付費分科会で、
「令和9年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)」が示されました。
本年4月以降、分科会で計9回の議論と、関係団体との3回の意見交換を経て
整理されたものです。

なお、単価や加算の具体的な内容は、まだ何も決まっていません。
年末から来年初めにかけて固まっていく見込みです。

■前提となる現状認識

資料では、介護サービスは公定価格であり、物価や賃金の上昇によるコストの増加を
事業者自らサービス価格に反映することが困難である、と整理されています。
あわせて、令和7年度介護事業経営概況調査において、
全サービスにおける赤字事業者の割合が約4割であることが示されています。

■示された5つの視点

 1.物価・賃金の上昇等への対応と処遇改善
 2.人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築
 3.地域包括ケアシステムの深化
 4.職場環境の改善と生産性の向上を通じたサービスの質の向上
   及び介護人材の確保
 5.制度の安定性・持続可能性の確保

視点1では、物価や賃金の上昇等を介護報酬に適切に反映して経営の安定を図るとともに、
他職種と遜色のない処遇改善を実現し、人材の定着・離職を防止する環境を整備することが
重要であるとされています。

視点4では、職員が専門性を発揮して働き続けられる環境づくりが求められており、
負担軽減や職場環境の改善につながる取組を推進することが必要であるとされています。
施設系だけでなく居宅系サービスも含めたAI等の介護テクノロジーの活用や、
介護助手等へのタスクシフト/タスクシェアにも言及があります。

また視点2では、令和8年6月に成立した社会福祉法等の一部を改正する法律で創設された
「特定地域サービス」を確実に機能させるため、人員配置基準や報酬を検討するとされています。
視点3では、同法で導入された有料老人ホームの登録制にも触れられています。
先日お知らせした法改正が、報酬改定の中に組み込まれてきた形です。

■いま着手できること

加算の具体的な要件は年末以降にならないと分かりませんが、
処遇改善と職場環境改善が柱に据えられることは、ほぼ固まったと見てよいと思います。

そこで、要件が示されてから慌てないために、次の点を今のうちに整理しておくことを
おすすめします。

 ・職種ごと、等級ごとの賃金水準が、現状どうなっているかの一覧
 ・処遇改善加算の配分ルールが、就業規則や賃金規程と整合しているか
 ・残業、有給休暇の取得状況、離職の理由など、職場環境に関する現状の数字

これらは加算の要件が変わっても必ず土台になる部分です。
現状が数字で把握できていれば、要件が公表された後の対応が速くなります。

第268回社会保障審議会介護給付費分科会 資料(厚生労働省)
【資料1】令和9年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)(厚生労働省/PDF)