令和8年12月25日から「こども性暴力防止法」(正式名称:学校設置者等及び
民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)が
施行されます。報道等で「日本版DBS」と呼ばれている法律です。
こどもと接する業務の従事者について、性犯罪の前科の有無を確認する仕組み
(犯罪事実確認)が中心となります。
■まず、自事業所が「義務」か「認定(任意)」かをご確認ください
【義務】学校、認定こども園、児童福祉施設(認可保育所、児童養護施設、
障害児入所施設 等)、指定障害児通所支援事業(児童発達支援、
放課後等デイサービス 等)、乳児等通園支援事業 など
【認定(任意)】放課後児童クラブ(学童)、一時預かり事業、病児保育事業、
認可外保育事業、指定障害福祉サービス事業、
民間教育事業(学習塾、スポーツクラブ 等)など
児童発達支援・放課後等デイサービスは「義務」の側に位置づけられています。
■就業規則に定めておくべき5つの事項
こども家庭庁は施行ガイドラインの別紙として「就業規則参考例」を公表しており、
次の5点を就業規則等に定めることが適当であるとしています。
1.対象業務従事者の範囲
支配性・継続性・閉鎖性の3要件で判断します。保育士のように職種全体が
対象となるもののほか、事務員・送迎バス運転手・調理員なども、
児童等と接する機会があれば対象になり得ます。
2.児童対象性暴力等及び不適切な行為の禁止
「不適切な行為」(こどもとSNSで私的なやり取りをする、私的に事業所外で
会う 等)の範囲は、事業の実態に応じて各事業所で定めます。
3.犯罪事実確認の手続に応じる義務
従事者が戸籍情報の提出等の手続に応じる義務を明記します。
4.試用期間の解約事由
「重要な経歴の詐称」を解約事由として定めます。
5.懲戒事由
児童対象性暴力等・不適切な行為を行ったとき、重要な経歴を詐称して
雇用されたときなどを、懲戒事由として追加します。
■なぜ「就業規則に書いてあること」が重要なのか
判例上、懲戒処分を行うには、あらかじめ就業規則に懲戒事由と懲戒の種類を定め、
従事者に周知しておく必要があるとされています
(フジ興産事件・最高裁第二小法廷判決 平成15年10月10日 ほか)。
就業規則に定めのない事由での懲戒処分はできません。
また、犯罪事実確認で前科が判明した場合の内定取消しについても、
法に基づく確認とは別に、募集要項に採用条件として明示し、誓約書や履歴書で
事前に確認し、内定通知書に内定取消事由を記載しておくことが求められます。
事前の確認をしていないと、前科が判明しただけでは内定取消しが
認められない可能性があるとされています。
なお、契約社員・パートタイム労働者・アルバイト・定年後再雇用者についても、
3要件を満たせば対象業務従事者に該当します。
これらの方について別規程を設けている場合は、本則と同様の整備が必要です。
■施行前から適用できます
こども家庭庁の参考例では、附則に
「この就業規則は、こども性暴力防止法の施行前であっても適用されるものとする」
と定める例が示されています。
施行を待たずに規定を整備し、先行して適用しておくことができます。
現職の職員も犯罪事実確認の対象(義務事業は施行から3年以内)となるため、
早い段階で就業規則を整えておくことが望ましいとされています。
就業規則の改定は、条文を決めてから意見聴取・周知・届出まで一定の時間がかかります。
施行まで残り3か月余りです。自事業所が対象になるかどうかの整理を含め、
お気軽にご相談ください。
こども性暴力防止法(こども家庭庁)
【別紙5】就業規則参考例(Word)
義務事業者用準備ガイド(Ver.1.1)(PDF)





















